それはフランスにオービスが設置されてからの交通事故死亡者数と負傷者数だ。2002年以前、フランスはEU諸国の交通事故件数でワーストワンという不名誉な記録をマークしており、この状況を打開するため2003年10月からオービスが設置されるようになった。その結果、事故件数、交通死亡事故者数(2006年は2002年度と比べて43%も少ない4703人)、負傷者数(2001年の統計から39%減の10万2291人)を大幅に減少させることに成功しているというのである。当然、事後件数自体も少なくなっている。
ここまで交通事故による犠牲者を減らすことが出来た背景には、フランスのオービスが5kmオーバー程度でも反応する可能性があるほど厳しいものであることや、フランスの制限速度自体がそれなりに速いため(高速道路:130キロ、国道90キロ。変動する場合もあり)、検挙されれば強く反省する気持ちを持つことなどが関連しているのではないだろうか(もちろん、クルマの安全性向上も大いに貢献しているはず)。
今回取り上げたフランスのオービスや諸外国の取締りと日本の取締りを比べると、日本の取り締まりはどう考えても曖昧さや不公平な部分が多く、検挙されたても「自分は運が悪かった」くらいにしか思わず、反省する人は少ないように思う。本当に事故防止のために取り締まりを行うのなら、現代の交通量や自動車の性能に見合った制限速度を設け、フランスの法規のようにそれでも違反をしたというドライバーに対しては厳しい制裁を課すという制度にした方が、ずっと意味のある取締りになるだろう。(永田)