レースは序盤から波乱含みの展開となった。フォーメーションラップ中から雨が降り出してしまったのである。スタートではポールポジション、3番手グリッドにつけたフェラーリのキミ・ライコネン選手とフェリペ・マッサ選手が好ダッシュを見せ、第2コーナーまでにライコネン選手、マッサ選手の順でフェラーリが1−2体制に。2番手グリッドのフェルナンド・アロンソ選手(マクラーレン)は3位に後退、ハミルトン選手はスタート直後にBMWのニック・ハイドフェルド選手とロバート・クビサ選手がチームメイト同士で接触したこともあって、10番手スタートから4位まで一気にジャンプアップ(しかし、そのあとタイヤがパンクしてしまったようで後退)。雨はオープニングラップの間に本降りとなり、ピットはレインタイヤに交換するマシンが殺到する状態に。雨足はさらに強くなり、2周目のコーナーでジェイソン・バトン選手(ホンダ)、ハミルトン選手を含む6台が1コーナーでコースアウト(ハミルトン選手は幸いにもエンジンがかかっていたため、クレーン車に引き上げられ後にコースへ復帰)。コースにはセーフティーカーが入り、あまりに激しい雨のため4周目レースは赤旗中断となった。
赤旗中断の後、レースはレインタイヤでスタートしていた今回がデビューレースとなるマルクス・ビンケルホック選手(スパイカー)を先頭に、ローリングスタートで再開。レース再開1周後のオーダーはマッサ選手、アロンソ選手、デビッド・クルサード選手(レッドブル)、マーク・ウェーバー選手(レッドブル)、ヘイキ・コバライネン選手(ルノー)、ライコネン選手という順である。ライコネン選手は1周目のピットインの際に、ピットロードのコーナーをオーバーランし、ピットに入り損ね大きなタイムロスしてしまったため順位を落としてしまったが、15周目あたりまでに順位を3位まで上げた。
次にレースが動いたのは33周目。ライコネン選手がスローダウンし、そのままリタイアとなってしまった(原因は油圧系か電気系とのこと)。そして、残り10周前後から再び雨が降り出すという波乱が! 各マシンともレインタイヤへの交換を行う。レインタイヤへの交換後、マッサ選手のペースが上がらず(レインタイヤに換えた後、バイブレーションが発生していた模様)、アロンソ選手がマッサ選手との差を一気に縮め、残り5周でマッサ選手をオーバーテイク! そのままアロンソ選手がトップでチェッカーを受け、第5戦モナコGP以来となる今期3勝目をメルセデス・ベンツの地元で飾った。2位にマッサ選手、3位から8位はウェーバー選手、アレクサンダー・ブルツ選手(ウィリアムズ)、クルサード選手、ハイドフェルド選手、クビサ選手、コバライネン選手という順である。
ハミルトン選手はコースアウトからレースに復帰した後、ギャンブル的なタイヤチョイスをするなど果敢な走りを見せ9位でゴール。ポイント獲得を逃し、開幕戦以来の連続表彰台記録も9戦でストップしてしまったものの、予選での大クラッシュなどを考えれば、よく頑張っているといえるのではないだろうか。
日本勢の結果は以下の通り
・トヨタ
ラルフ・シューマッハ選手/18周目リタイア(ハイドフェルド選手との接触によるもの)
ヤルノ・トゥルーリ選手/13位完走
・ホンダ
バトン選手/2周目リタイア(コースアウト)
ルーベンス・バリチェロ選手/11位完走
・スーパーアグリ
佐藤琢磨選手/34周目リタイア(油圧系トラブル)
アンソニー・デビッドソン選手/12位完走
と精細に欠く結果となった。次戦以降の巻き返しに期待したい。
第10戦ヨーロッパGPを終えてのポイントランキングは
1位 ハミルトン選手 70ポイント
2位 アロンソ選手 68ポイント
3位 マッサ選手 59ポイント
4位 ライコネン選手 52ポイント
という順。今回のレースでハミルトン選手とアロンソ選手の差が一気に縮まった格好だ。コンストラクターズポイントはマクラーレン138ポイント、フェラーリ111ポイントとマクラーレンがリードを広げている。
次戦は昨年ホンダが悲願の第3期F1参戦初優勝を飾ったハンガリーGP(8月5日決勝)である。(永田)

