不正軽油とは何か。これは軽油に重油や灯油を混ぜたもの。それを不正軽油としてではなく軽油として販売するのです。もちろん本物の軽油より安い価格で販売できる。これで何を脱税できるかというと、それは軽油引取税。軽油引取税というのは、特約業者や元売り業者からの軽油の引き取りのうち、実際に軽油が納入される分に課せられる税金。つまり不正軽油を使用することによって実際に納入される軽油は少なくなり、その分の税金を脱税できるというワケ。
今回はこの不正軽油を使用していた運送業者の脱税が問題となっているのですが、不正軽油には脱税以外にも大きな問題がある。それは「環境負荷」であります。不正軽油は軽油よりも性質が劣るため、燃焼した時に有害物質が出やすい。しかも製造過程で硫酸ピッチという非常に危険な物質が出るため、その不法投棄も問題になっています。お金の面でも環境の面でも、とてもよろしくないのが不正軽油なのです。
そのため国や地方自治体は罰則を規定したりするなど対策を練っていますが、それでも最近の原油価格高騰で不正軽油は増えているのが現状だと言われている。不正軽油は灯油を給油しているクルマを見つけたり、または軽油の抜き打ちチェックをすることで判明することが多いのですが、独自のルートを経たりこっそり給油したりして、なかなか検挙しがたい。難しい問題です。
ガソリン高騰の煽りを受け、こうした不正はますます増える可能性ある。原油高騰というとレギュラーやハイオクばかりに目がいきますが、考えてみれば軽油が一番高くなっている。何せ今はレギュラーとそこまで大きく値段違いませんから。ちょっと前まではレギュラーの半額くらいなイメージだった。
せっかくディーゼルに対するイメージが回復してきても、不正軽油を使うクルマが多いと、「やっぱりディーゼルって汚いね」となってしまう。不正軽油が蔓延しないよう、行政はキッチリ取り締まって欲しいと思います。 (新美)