モンテイロ選手はニュージーランドラリーが行われていた週末、出身国であるポルトガルで開催された「アルガルベ・ラリー」の6つのステージでゼロカーをドライブしました。ゼロカーとは、競技車両より先にステージを走行し、コース上に大きな障害がないかを確認するとともに観客へ「もうすぐ競技車両が来ますよ」を知らせるクルマです。もちろんタイムを競って走るわけではありません。でもだからと言ってそんなにチンタラ走るわけではなく、ラリーカーと同じくらいのペースでガンガン走ります。
モンテイロ選手がゼロカーとしてドライブしたのはプジョー206GTi。今回ゼロカーを運転することになったのは、プジョー・ポルトガルの招待によるものなのです。以下、ゼロカーを運転後のモンテイロ選手のコメントです。
「この体験をしてみて今までにないレベルの敬意と称賛をすべてのラリードライバーに抱くようになった。また出場ドライバー全員、そして特にウイナーのアルミンド・アラウジョを心より祝福したい。それにプジョー・チームには感謝を申し上げたい。僕を信頼してくれたことにね! 実際の競技に参加したわけではないが、安全目的で走るプジョー・スポール・ポルトガルの206GTiを運転させてもらい、ドライビング技術がF1とどう異なるのか本当に理解するチャンスを与えてもらった。金曜のシェイクダウンで始まり土曜にはポルティマオ市街地のスペシャルステージがあった。セーフティーカーに乗って僕らは各ステージでラリーカーより15分早く走り出し、コースに問題がないことを確かめ、また観客にそろそろ来るぞと伝えるため、6つのSSを走行した。すべて問題なく終えられ、僕にとってはすばらしい冒険になった。国際的コ・ドライバーのパウロ・プリマツと共に、間違いなくあらゆる種類のドライビングコンディションを経験できたんだ。夜間、日中、激しい雨、ぬかるみ、水、滑りやすい舗装路、ドライ、それにパンクタイヤまでもね!」
ゼロカーとはいえ、運転したのは現役F1ドライバー。おとなしく走るはずもなく、SSの1つでスピンを喫してクルマをちょっとぶつけるなど、小さなミスも。コメントにもあるようにパンクも経験し、F1とは違って自分で交換する場面もあったりと、ラリー独特の体験をできたようです。しかし何よりF1と違うのは、見通しの悪いコーナーを全開で走るということ。ペースノートを信じ、またペースノートが正しくなければできません。このことについてモンテイロ選手は「僕にとって一番の大きな違いは、コーナリングのたびに、まったく先の見えないブラインドコースをただコ・ドライバーの指示を聞くだけで走るということだった。リズムをつかむのが難しかったが、すべてがうまくいったときには最高なんだ」と言っております。
ラリーというのは、サーキットを走行する競技よりもマシンの影響が少ない。なんて言うと語弊があるかもしれませんが、ペースノートの作り方やドライブの仕方など、色々な方法でマシンの性能差をカバーできる競技です。そういった意味で多くの人に楽しめる競技だと思います。もっともっと注目度が上がり、日本でももっと人気のあるモータースポーツになってくれることを願います。(新美)

