これをどう考えるか。まず処分の重さについて。基本的に厳しいという見方が多い。それも当然で、現在コンストラクターズ・ポイントでトップの位置を確実なものにしつつあり、久方ぶりの年間優勝を狙っていたマクラーレンに、コンストラクターズ・チャンピオンシップ除外は可哀想。さらに100億円以上の罰金というのも、かなり厳しい。いくらお金のかかるF1とはいえ、途方もない罰金であります。ちなみにトヨタの年間のF1投資額は550億円ほどと言われている。最もお金を使っているチームの年間予算の5分の1。やっぱり厳しい感じはします。
ただ、マクラーレンのドライバーには何のお咎めもなかったこと。今年だけで済んだことで、今回の処分は思ったよりも甘いなんて意見もある。まぁ何とも言えませんが、マクラーレンにとって大きな痛手となることは間違いありません。
ところで、今回の処分は本当に妥当なものだったのか。ステップニー氏とコフラン氏の間で情報のやりとりがあり、フェラーリの機密情報がマクラーレンに漏れたというのが事件の発端。そして争点は、マクラーレンがその情報をチームで共有し、マシンへと反映させたかにありました。そこについては、後日FIAが所見が発表される予定。マクラーレンは最初から一貫して否定しています。ただし、処分の内容から考えてまずマクラーレンが情報を利用したと判断されたのでしょう。どういう経緯で今回の処分に至ったのか、気になるところであります。
もう1つ疑問なのは、情報がどこまで統制されなければいけないのかということ。スタッフがチーム間を移動すればどうしても情報は漏れるだろうし(漏れないにしても、例えばフェラーリのスタッフがマクラーレンに移籍し、そこで開発に携われば、どうしてもフェラーリのノウハウは伝わってしまう)、サーキットを走っている他チームのマシンを見て、情報を盗むことだってできる。
簡単に言ってしまえば、情報を手に入れるのは、いくらでもできるのです。そういった中で、どこからを不正入手とすべきかは、大変難しいところ。フェラーリの方の責任については、今回は言及されていない。そこにも少しだけ疑問を感じる。情報を漏らした側に責任はないのか。監督不行届と言えなくもない。
ともかく、これでマクラーレンは一気に厳しい立場となった。もちろんマクラーレンとしては控訴したいでしょうが、それについてマクラーレンは、FIAの所見発表を待ってから決めるとのこと。今週末はベルギーGP。今回の処分がマクラーレンに、どのような影響を与えるのか。 (新美)