問題は居眠り運転となった原因。逮捕された運送会社社長は、事故を起こしたドライバーに5月26日午前1時〜28日午前10時までの間で、茨城県大田原市から岡山県新見市までおよそ2500kmの移動を命じていたのです。57時間で2500km。これはちょっと無理ではないですか?
高速道路を制限速度いっぱいの80km/hで走行し続けるとして考えてみましょう。1日の睡眠時間は8時間。残り16時間で、2時間に30分ずつ休憩しながら走行すると、1日に走行できるのは14時間くらい。食事の時間を考慮すれば、1日に12時間くらいがやっとでしょう。となると1日に走行できる距離は960km。2日間で1920km走ったとして、残り9時間で580km。2時間ごとに休憩したとしたらギリギリです。
実際には一般道を走行するだろうから時間はもっとかかるだろうし、何しろ1日中運転し続けるのはかなりしんどい。それを行えと命じたのはかなり無理があると言えます。
大型車にもプリクラッシュセーフティシステムが搭載されつつありますが、それでもこういった事例があり続けるかぎり、悲惨な事故は無くならないと思います。ドライバーとしては雇用主にそんなに強いことを言えないだろうし、雇用主としては安く早く運ぶために、ドライバーに無理を強いなければならない状況。となるとそういったサービスを求める消費者にも責任の一端はあるかもしれない。
けれど、すべての消費者に「安価で便利なサービスばかりを求めるな」と忠告して実践させるのは不可能。やはりどこかで強い規制が必要でしょう。運送業界に「ドライバーに無理をさせないための強い規制」を適用し(もしくはドライバーの運送状況を必ず報告させる)、消費者にも文句は言わせないようにする。そういったことが実現できればいいのですけどね。(新美)